Monte-Cristo

アニメの感想を残すのは久しぶり。
それにしても、「巌窟王」を今更観ようという気になるとは思わなかった。


待て、而して希望せよ
モンテ・クリスト伯屈指の名言が昔から好きだった。
最近読み返して熱が再燃したので、アニメの存在を知り観てみたという次第。
噂では聞いていたが、原作からかなりのアレンジが加えられている。それがまた良い。展開が読めず、愉しんで観れた。
SAMURAI7の時と似た感動を味わったので独り大喝采を送ります。スタンディングオベーションで。


・奇抜な髪や衣類の表現法がまず目を惹く。とにかく鮮やか、そして艶やか。誰かが「柄々しい」と言っていて、非常に言い得て妙だと笑ったものです。
・いやぁ伯爵の声はずっるいよね…ジョージさんですよ、骨抜きにする気かっつー。する気なんでしょうね、ありがとうございます。もはや私はくらげ。
・親友フランツに初っ端から注目。最後まであからさまなことは一つも口にしない、でも彼のありとあらゆる言動が彼の本心を示している。
・私が最も愛したのはフランツだったので、17-18話ではビャービャー泣いた。ええボロ泣きどころかギャン泣きでしたとも。
 18話、アルベールがフランツを抱き起こす時、私は遂に"その言葉"を口にするのではないかと息を止めて見守っていた。
 でも彼は決して言わなかった。美しくも遠い思い出を語り、「ハッピーバースデー」なんて擦れた声で、本当に嬉しそうな声で言う。
 自分の命が終わってしまっても構わなくて、アルベールの命が明日に続くように、それだけを願っていた。
 アルベールが次の朝を、16才になる日を迎えられるように。ユージェニーと自分とで、「おめでとう」と祝えるように。
 彼の命を賭した、些細な願い事。その重さと儚さに、ただただ胸を打たれた。
・音楽もひたすら良かった…。まずはed曲、これは歌詞がモロなんだけど底知れない不穏さがベネ。
 「海嘯」が最高でした。毎話流れてたんじゃないかってくらいの頻度でしたが、いや文句なしにあなたが主役よ。もうこの曲聴くだけであんなシーンやこんなシーンが蘇ってきちゃって正直しんどい。曲に積み重ねられたイメージが強すぎて、安眠songに良いな〜とか思ってたのに全く安眠できません。つらい。
 アニメを観ていない人はこの曲をまっさらな気持ちで聴けるのかと思うと羨ましい限り。海の底から光差す海面へと浮上してくる映像が、観えるだろうか。