process

「作詞やってます」と言うと、微妙な顔をされる。形容し難い表情で、「あー、そうなんですかぁ」と反応される。きっと形容し難い感情が内側でもやついているのだろう。
その度に申し訳ない気持ちになる。そりゃそうだ、何やってんのかなんてわかんないんだからそれ以上話を掘り下げるのも容易ではない。


で、実際何をやっているか/どういう作業をしているかをまとめてみることにした。
自分なりのprocessであって他の人には当てはまらない点も多々あるだろう。以下は 私の中では standardな手順、かつ留意点などだ。
ちなみに今回は音先の場合について。


* * *


1)種蒔き

作曲家さんからメロディを受け取る。
使われている楽器等からイメージを膨らませ、使いたい単語/フレーズを箇条書きにしてメモを取る。ここで大体30回ほどループして聴き込む。ついでにコード進行もこの30回の内に何となく掴んでおく。
大体この時点でタイトルが定まってくる。後からタイトルを付けようとすると理屈っぽくなるので、インスピレーションが湧き出る段階で選べると良い感じ。


2)移植

Aメロ・Bメロ・S(サビ)などコード進行を2枚目のメモpadに書き取り、1枚目のメモから単語を移動しつつ文を作る。
単語と単語の隙間が生まれたりするので、そういう空白には字数を書き込んだりしつつ。
この配置にはいつも悩まされる。文脈と字数とのせめぎ合い。
50〜100回は聴き込まないと、メロディと歌詞とがmatchしてくれない。


・1Aは歌詞の頭となるので世界観を掴み易くなるように。
・サビには平易かつインパクトのある単語を。カ行/タ行が多いと望ましい。またア音も意識して取り入れる。
・単語のイントネーションとメロディラインが合致するとvery good!


3)剪定

提出して、仮歌音源*1をいただいて、ズレがあるようなら修正して…の作業を1・2回。
これで良し、となったら後は見栄えを調整。改行/スペース/カタカナor漢字orひらがな。バランスが大事。
特に一人称には気を使う。これ一つで印象が変わるので。
ex)わたし/ワタシ/私


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…書いてはみたけど、やっぱり大した作業してないな。参った。
意識していることを全て実践できているわけでもなし。感覚由来の部分が圧倒的に大きい。
理屈じゃないんだなぁ、ということはわかった。


感覚と、経験則。後者は今回それなりに言語化できた…としよう。
私がしていることなんて、本当に些細なことよ。
その些細なことに本気で取り組むのが、楽しくてたまらない!

*1:VOCALOIDにベタ打ち、つまり調声しない状態で歌ってもらう