relative purity

数ヶ月前にCROWWORD氏とニコ生で対談放送*1を繰り広げた際、珍しくどなたかから質問をいただいた。
「オススメの本はありますか?」と。
恐らく、私が読書家だとどこかで聞き齧ってのご質問だったと思うのだけれど、雑食の類なので返答に困った。*2


で、何をオススメとして挙げたかと言えば。
現代詩の鑑賞101
編:大岡信/新書館


文字通り現代詩を101篇集めた一冊。二段組で、下段には詩の解説が付いている優れもの。詩の入門書としてはかなりのオススメです。
詩には小説のように解り易いストーリーがない。改行が多く、“形”に拘っている言葉の群れ。それをどう読み解けばいいのか、迷う人も多いのではないだろうか。


詩の解釈に“正しさ”は求められない。
各々が好き勝手に噛み砕き、咀嚼し、嚥下し、血肉とする。
一時の慰めとなる、一時の躓きとなる、一時の懊悩となる。
ともすれば生涯忘れ得ぬ一連となる。


詩について、いろいろと思うところはありますが。
「何を」書くかではなく、「どう」書くか。まずはそこから。
言葉を選ぶことは他の選択肢を捨てるに等しいのだと、強く意識すること。
言葉を選ぶ為には、故に多くの選択肢を知らねばならないということ。


清濁併せ呑め」、そしてそこから、選び取れ。

*1:素晴らしくグダグダで「イメージと違いましたw」とのコメントを多数いただいた。

*2:そもそも人に本を薦めるにはそれなりに相手の傾向を知っておきたいし、ちゃんと相手に読んでもらえそうな作品を吟味したい。