2014 translation

翻訳篇。去年ほど力を入れていないけれど、思い返せばちょこちょこ読んでいるなぁという印象。


さよならを待つふたりのために (STAMP BOOKS)

さよならを待つふたりのために (STAMP BOOKS)

ジョン・グリーンの中で今一番HOTなので(映画の日本公開も間近ですね)、じっくり読みました。『ペーパータウン』『アラスカを追いかけて』では「奔放で抗いがたい魅力を持つ女の子」を追っかける男の子、という特徴的な基本構図があったが、今回は女の子目線なのでどうだろうかと訝しみつつ。
結論。ジョン・グリーン、あんたは偉い。
とにかくヴィヴィッドな、「生きた(若者の)言葉」を使うのが巧い。十代の感覚を失わない内に、さっさと読んでキッチリ共感しておくべき。ちょっとひねったアメリカン・ジョークがぽんぽん出てきて、そんなに出し惜しみしなくていいのかとハラハラするくらい。金原瑞人の訳がこれまた瑞々しいので、これは最高のYAになったなぁと拍手したい。


あしながおじさん (新潮文庫)

あしながおじさん (新潮文庫)

いつかに読んだ覚えはあるけど、もう殆ど忘却の彼方なので読み返してみたところ「あれっこんなに面白かったっけ?」となった一冊。
書簡形式。ジュディの無垢さがどんどん抜けていく様子が愉快。蕾が花開くようとはこのことかと。昔はきっとジュディ目線で読んでいたのが、今はあしながおじさん目線へと移ったのだろうなぁ。
続編が出ていると知ったので、そちらも機会があれば読んでみたい。


いちばんここに似合う人 (新潮クレスト・ブックス)

いちばんここに似合う人 (新潮クレスト・ブックス)

岸本佐和子の流れる水のような自然な翻訳にまず驚かされる。無駄な力がどこにも入っていない。16の短篇集。
「わたしは英語で泣き、フランス語で泣き、あらゆる言語で泣いた。涙は世界共通の言語、エスペラントだったから。」というフレーズが特に好きで、何となく心に残り続けている。


悪童日記 (ハヤカワepi文庫)

悪童日記 (ハヤカワepi文庫)

映画化で話題になったので、重い腰を上げて読んでみたところ、何故腰が重かったのかわからなくなりました。
徹底的に主観を削ぎ落して書かれた日記を読んで面白く感じるってどういうことなんだろう。不思議。
残り二作もちゃんと読みます。