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去る4月10日は上野公園にて花見を敢行。満開の桜にかこつけて呑めや騒げやで酒池肉林。大人って穢れてますわね。


さて、翌日*1から数枚写真を貰う。そういえばゴツいカメラを持っていたけど、撮られた覚えはあまり無いのでちょっと驚く。


1枚目。首から下のパーカーが写っている。薄いグレーのを着ていたんだけど、ぼんやり明るくて春っぽい雰囲気。

2枚目。いつの間にやら撮られていたらしい、自分の横顔。普段決して見られない無防備な横顔は、“他人の目を通した自分”という感じがする。

3枚目。これは覚えてる、正面からでポーズもバッチリ構えた。GJと兄に向かって指を突き出しているが、上半分の顔が見事にカットされている。なんか「花見でえらく上機嫌な誰か」という風で面白い。とにかく陽気だ。


撮られるのは、実は大の苦手だ。
カメラと向き合い、レンズの向こう側に視線をやってにっこり微笑んだままフリーズしなければいけない、あの数秒が。薄ら寒い心地すらして。
そしてその写真が誰かの手に留まるのも嫌でたまらない。この嫌悪感が何に起因しているのかもわからず。ただ反発する心がある。
兄は自然に切り取ってくれた。何と向き合ってるのかもわからないような苦行の数秒をストンと切り落として。一秒と持続しない“自然とこみ上げてきた笑み”を、上手に一瞬で写真に閉じ込めてくれた。


他の人がこの写真を見て私だと認識できなくても、私や兄ならわかる。その場にいて、記憶を共有しているから意味がある写真。
だからこそ愛着が持てるのだろう。この何気ない風景に。

*1:、いくさん。あまり多くを語らないけどいつでも優しい、結構頑固な私の兄です。