maze

おぼろげな声、不意に割れるガラスの音。圧倒的な質量を伴う不安が、ここにはある。
謎めいた迷路。歩いても歩いても果ては無い、何故ならこれは夢だから。自覚しているのに覚めることは許されない。
まさしく、白い壁と黒い空と終わらない夢


添えた手 壁はざらついた
余所余所しい手触り。ぞっとするほど冷ややかな温度も感じる。


悩み疲れたときは 上を向いて笑いなさい
下に俯いたなら 終わることの無い夢を見る
足元には狂気が巣食う。後ろには牙を尖らせる己が待つ。
逃げ場などある筈も無く、ただ前だけ向いて歩めと強いる。夢であるが故に終わらない。
現実よりもずっと、不条理に。