2014 illustrated

図書館に通うようになってから、「そうか、子供の利用者が多いから絵本が潤沢にある筈…!」と思い至り、今まで気軽に読めなかった分貪欲に読み漁っています。というわけで絵本篇、参りましょう。


ビロードのうさぎ

ビロードのうさぎ

酒井駒子のイラストが至るところで絶賛を浴びているので読んでみたところ、成る程素晴らしかったです。「ぬくもり」という姿形のないものを絵の具に変換する魔法の使い手なんだろうか。
『しろうさぎとりんごの木』でうさぎの可愛さを補充できますよ。


くまとやまねこ

くまとやまねこ

同じく酒井駒子イラストの絵本。表紙からすると「くまとことり」のように見えるが…? 
子供が読むに相応しい内容なのかどうかは不明。生き物の死について取り組むのは、どんなやり方であっても難しい。ただ、間違いなく名作。正直、大人が贅沢に読めば良いと思います。


うきわねこ

うきわねこ

えびお、かわいい。
真夜中に浮き輪に乗って空を泳ごう、なメルヘンワールドをほわほわなタッチで描かれてしまった。降参です。
表紙で惹かれた人は中にもっと「ギャーッ! いっそ殺してくれーッ!」と思うようなプリティなねこちゃんがいますので買って損はありません。一緒に悲鳴を上げつつ苦しみましょう。


オズの魔法使い

オズの魔法使い

リスヴェート・ツヴェルガーという画家が気になって『ノアの方舟』『くるみ割り人形』『不思議の国のアリス』『ブレーメンの音楽隊』『ハーメルンの笛吹き』などをざっと読んだが、一番好きなのがこちら。
原文から外れる描写は一切無く、シンプルなデザイン・色合い。なのにどこか懐かしい。とりわけ案山子の造形が好きだった。


漂流物

漂流物

デイヴィッド・ウィーズナーという絵本作家を知り、まずはと読んでみた一冊。文字の無いサイレント絵本ですが、衝撃を受けました。
文字が無いのに、展開が情熱的。
しっとりとした美麗なイラストで先へと流れていく、今まで読んできたサイレント絵本とは一線を画している。絵と絵の繋がりがダイナミックで、頁を捲るのがたまらなく愉しい。次に何がくるんだろう、とわくわくできる。
今作は漂流してきた防水カメラを現像すると、とんでもないモノが写っていた…というお話。作者の想像力と表現力が卓越しているので、安心して期待しちゃって下さい。


セクター7

セクター7

こちらもデイヴィッド・ウィーズナー作。エンパイア・ステート・ビルに登った少年が、雲の工場(セクター7)に招かれるお話。
『漂流物』ほど頁ごとのダイナミックさは重視されていないが、こちらは雲たちの表情がとにかくユニークでたまらない。茶目っ気たっぷり。